夏のお勧めハーブ&スパイス [D@EXコラム]
パセリ
香りを楽しみ食欲増進
■ミネラル・ビタミンたっぷりのつけ合わせ
パセリほど皿の片隅に追いやられ、気にかけられないものも少ないかもしれません。日本でよく見かけるパセリはモスカールドパセリといって小さくまとまって、そのかわいさゆえに飾り物扱いされているのでしょう。でも、パセリは立派な野菜であり栄養豊富、それにスパイスやハーブとして欠かせないものです。
パセリはニンジンやセロリと同じセリ科の野菜。中でも注目したいのは豊富なカリウム、鉄などのミネラル、ビタミンA・Cなどの栄養素です。鉄分はホウレンソウの3.7倍、ビタミンCはレモン果汁の2.4倍も!
■ドライパセリをもっと気軽に使って
でもちょっと待ってください。パセリをホウレンソウなどと同じ量食べるのはちょっと無理があります。むしろつけ合わせのパセリくらい少量でも期待できることは、特有の香り成分であるアピオールの食欲増進作用や清涼作用でしょう。特に夏は食欲がなくなり、体力や気力も落ち込みがち。そんな時、ちょっとパセリを口に含んで、そのほろ苦さと香りの効果を試してみてはいかがでしょう。
プランターでも簡単に栽培できるので手軽に利用することができます。一年を通して収穫できますが、真夏の暑さはちょっと苦手。今の時期、生のパセリが手に入りにくいときはドライパセリを利用してみてはいかがでしょう。ドライパセリはフレッシュパセリを乾燥し粉末にしたもの。フレッシュのような独特な香りが少ないので、どなたにも好まれ、どんな料理にも合うこと間違いなしです。
にんにく
滋養強壮効果で夏バテ制圧
■夏こそ「医者いらず」のにんにく
医者いらずとも言われるニンニクは、誰でもご存知の滋養強壮野菜。「夏バテがひどくて」「それならニンニクだよ」今ごろこんな会話がなされているのでは。
滋養強壮のヒミツはビタミンB1にあります。ビタミンB1はエネルギーを作るときに必要な元気ビタミンで、特に日本のようにお米を主食にしている場合は努めて摂った方がよいものです。水溶性で体外に出てしまいやすいのですが、ニンニクのあの強い臭い成分「アリシン」と結びつくと、効率よく体内に吸収されます。
■効き目が強いニンニクは量が決め手
けれどもいくら元気が出るからといって一度にたくさん食べたら、ニンニクは刺激が強すぎるだけに胃腸を痛めることにも。特に空腹時にニンニクだけを摂取することは控えた方がいいですね。かえって食欲減退といったことにもなりかねません。また有効成分のアリシンも、赤血球のヘモグロビンを破壊し貧血を起こす副作用があることが知られています。
このようにニンニクに副作用があるということは、ウラを返せば、それだけ少量で効果があることの証明です。薬のような性質を持ち合わせているとも言えます。だから一気に食べるのではなく、毎日毎回の料理に少しずつ利用することです。 料理のスパイスとしてニンニクを使うのはいい方法です。油で炒めるときに香り付けに使ったりする分には過剰摂取の問題になりません。無理をせず、おいしい範囲の量を使う。これがスパイスを使う時のもっとも大切な心得です。
トウガラシ
発汗作用で夏涼しく
■チリーペッパーすなわち唐辛子は世界中で!
「暑い国の人はトウガラシを使った激辛料理ばかり」というのは本当でしょうか?確かにタイやインドなどではスパイスを効かせた料理が主流ですが、現地の人も辛みだけを強くすると、やっぱり辛いし、刺激味が強すぎておいしくないと言います。暑い国の人だから辛さに強いというのはどうやら日本人の思い込みのようですね。
それはともかく、トウガラシは、メキシコ、韓国、タイなど世界中で愛されているスパイスであることに間違いありません。それはやはりトウガラシは健康によい生理作用があるという認識があるからです。
■新陳代謝を活発にする辛味成分「カプサイシン」
トウガラシの生理作用の中心的役割を果たすのが辛み成分『カプサイシン』。このカプサイシンは、ヒトの神経に直接働きかけ、体温を上昇させ、新陳代謝を活発にします。トウガラシを食べると体が熱くなり汗をかくのは、このカプサイシンのためだったのです。そして汗が蒸発するときに体表面の熱を奪うので、涼しく感じる。トウガラシで夏涼しくというのは一理ありそうです。
でも待ってください。トウガラシはとても刺激が強いもの。あまり激辛にすると舌や食道、胃の粘膜がやられてしまいます。料理の味を台無しにしないくらいの辛さでも、十分に発汗作用はあるので、辛さはほどほどに。また汗をかくと体内のミネラルも失われてしまいますから、トウガラシだけを食べるのではなく、他の野菜や肉などの食品も一緒にきちんと摂って、ミネラル分の補給をすることを心がけてください。
Posted at 00時17分
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