旬のいちおし素材”鰻” [DINING EXPRESS誌より]
うなぎの謎
ウナギには完全養殖のイメージがありますが、実際は人工孵化から育てているわけではありません。また、孵化どころか誕生の瞬間さえ謎が多いのです。
ウナギは淡水の川や湖に住んでいますが、産卵時期には南洋の海に行き、深い海の底で産卵します。そこで誕生したウナギは、海流に乗って変態し「シラスウナギ」と呼ばれる稚魚に成長した頃川に辿り着きます。
養殖されるウナギはこの「シラスウナギ」を採捕して成長させるのです。
とにもかくにも、海にでてからの行動は謎に包まれています。
土用の丑になぜウナギ
一般的に言われているのは、平賀源内が、客足の少ないウナギ屋に頼まれて、「本日、土用丑」という看板を書いて張り出したら、大当たりして大繁盛した。という説が有名ですね。
また、大田蜀山人が「ウナギを食べたら病気にならない。」という内容の狂歌を作って宣伝したという説も有力です。
他にも、文政年間に大名にウナギを納入していた春木屋善兵衛という人が、ある時大量の鰻蒲焼の注文が会った際に、子の日、丑の日、寅の日の三日に分けてウナギを焼き土蔵に貯蔵して三日間置いたところ、丑の日に焼いたウナギだけが変質せず、丑の日に焼いたウナギを納入したというところから「鰻蒲焼は丑の日に限る。」という事になったという説もあります。
ちなみに今年の土用の丑の日は7月21日です。
うなぎと高菜の絶妙な組み合わせ
うなチャーハン
■材料(1人前)733kcl
うなぎ蒲焼・・・80g
高菜ピラフ・・・250〜270g
■作り方
1.うなぎ蒲焼は蒸して細切りにしておく。
2.フライパンを熱し、油をひき、冷凍のままの”高菜ピラフ”を炒める。
3.2に1を入れ混ぜ合わせる。
4.器に盛り付ける。(錦糸卵、刻み大葉、ゴマ等のトッピングもお勧めです。
ウナギの語源は
ウナギの胸部が淡黄色を帯びているところから「胸黄(むなぎ)」と呼ばれていたものが、いつしか「うなぎ」と呼ばれるようになりました。
ウナギにうろこはあるの
ウナギは皮膚が滑らかでヌルヌルした粘膜で覆われている為にウロコが無いように思われますが、実際にはうなぎは皮膚の下の真皮全体にウロコをもっています。
ウナギの皮膚には発達した粘膜を出す細胞があります。これを刃物で削ぎとるとゴマ状のウロコが並んでいます。
刺身
一般的にウナギの刺身を食べないのは、ウナギの血に「イクシオトキシン」という毒素が含まれているからで、生で食べる場合はこれを完全に取り除かなければなりません。もし毒素が体内に入ると吐き気や中毒症状を引き起こし、目に入ると結膜炎を起こしたり、傷口に入れば炎症を起こしたりします。
ただしこの毒は熱に弱く、火を通せば毒性を失うので加熱した料理はまったく問題ありません。
なお、ウナギの血液をきれいに洗って取り除けば、刺身として食べられないことはない為熟練した職人さんが名物料理として刺身を提供しているところもあります。さて、そのお味は・・・歯ごたえがあってとっても美味しいとか。
ゆずの香りが食欲をそそる
うなぎの白焼サラダ香味ドレッシングかけ
■材料(1人前)346kcal
うなぎ白焼き・・・100g
セロリ・・・15g
チコリー・・・5g
青じそ・・・1枚
みょうが・・・5g
生姜・・・2g
きゅうり・・・20g
トレビス・・・8g
873 キユーピー和風ドレッシング柚子醤油・・・適量
■作り方
1.うなぎの白焼きは蒸して1cm幅に切る。
2.セロリは5cm長さの薄切り、青じそとチコリーは千切り、みょうがは小口切り、生姜はみじん切り、きゅうりは縦半分にしてから斜めの薄切りにしておく。
3.器に1.を並べ、2.と一口大にちぎったトレビスを軽く混ぜ合わせて盛り付け、ドレッシングをかける。
背開きと腹開き
江戸時代、武家社会が中心であった関東では、ウナギを腹から割くことは武士の切腹と同じになるため背開きにし、蒸してから焼きます。一方商人の町である関西は、“腹を割って話す”という意味で腹開きにしてそのまま焼くようになりました。
栄養
ウナギには良質のたんぱく質やカルシウム、ビタミン類が豊富に含まれていますが、中でも目の粘膜を強化したり皮膚の新陳代謝をよくするビタミンAの含有量は他の食品を大きく引き離しています。
また、脳の働きを活発にするDHAやレシチン、血管を丈夫にするEPA、疲労回復とスタミナづくりにかかせないビタミンB1・B2、新陳代謝を高めるビタミンEなど、うなぎの栄養はとても優れています。
日本人が鰻を食した最古の記録は万葉集にあると言われています。万葉集の時代に既に鰻料理は滋養強壮に効くと言うことが知られていたという事は、先人の偉大さに敬意を払わざるを得ません。しかし最初に鰻を食べた人はかなり勇気がいったことでしょう。
100gに含まれるおもな栄養素
タンパク質 17.1g
脂質 19.3g
亜鉛 1.4mg
レチノール 2400υg
ビタミンB1 0.37mg
ビタミンB2 0.48mg
ビタミンD 18υg
ビタミンE 7.4mg
カルシウム 130mg
エネルギー 255kcal
スタミナ満点、さっぱり風味
うなぎの天ぷら あっさりマリネ風
■材料(1人前)416kcal
うなぎの白焼き・・・100g
玉ねぎ・・・30g
きゅうり・・・20g
854 キユーピー マリネドレッシング
13881 A-Select素材いきいき天ぷら粉
赤ピーマン・レモン適量
■作り方
1.うなぎの白焼きは1cm幅に切り、塩コショーをして水溶き天ぷら粉をつけ、180℃の油で揚げておく。
2.玉ねぎは薄切り、きゅうりは縦半分にしてから斜めの薄切りにし、マリネドレッシングを入れてなじませておく。
3.1.を皿に置き、その上に2.を盛り付け、小さくカットしたレモンを散らす。
Posted at 05時38分
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