わかめの卵「めかぶ」のパワー [DINING EXPRESS誌より]
「わかめ」は「わかめ」でもめかぶのお話です。栄養満点!そのうえこんな力も持っている!?
ご存知ですか?「めかぶ」のこんなパワー
わかめにはめかぶという生殖器があり、ここから胞子が出て受精が起こり繁殖していきます。わかめの生命を次の世代へと伝えるめかぶは、さらに栄養が豊富であると考えられます。
めかぶをさわるとものすごくヌルヌルしていて、包丁などで叩くとぬめり成分が納豆のように糸を引くことがわかります。この糸を引く成分が、今回ご紹介する食物繊維の一種であるフコイダンです。
人間の身体は、常に病原菌などの細菌、ウイルス、有害化学物質などが侵入してきていて、いつも危険にさらされています。しかし、そのたびに病気になっていたのではたまりません。そのため、人間は身体に有害な外敵からgを守る機能を?ヲています。サれが「免疫」というシステムナ、病原菌やウイルス、ガン細胞などを退治しています。
ところが、残念ながらこの免疫の力は年齢と共に低下します。歳をとって風邪を引きやすくなった、治りにくくなったとよく耳にしますが、これも免疫力の低下によるものニ考えられます。
私たちの身体には、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)と呼ばれる免疫細胞があります。この細胞はガン細胞を破壊したり、ウイルスや細菌感染の初期段階に活躍します。お巡りさんのように身体の中をパトロールして挙動不審な異物を排除する役割を持っています。
北里大学の丸山先生によって、めかぶに含まれるフコイダンはこのNK細胞を活性化させる数少ない食品成分であることがわかってきました。
年齢と共に免疫力が低下していくのは人間誰しも避けられませんが、めかぶを食べることで、低下のカーブを少しでも緩やかにすることは可能かもしれません。独特な食感を持つめかぶを酢の物やおそばの具材、めかぶ丼などで召し上がってみてください。
すぐれた食材!めかぶの乳癌抑制効果
わかめの「生殖器」であるめかぶはわかめの生命を次の世代に伝える器官であり、栄養的にも優れた部分です。
さて、このめかぶが乳癌を非常に強く抑制する食品であることが、名古屋大学医学部第2外科の舟橋先生により報告されました。舟橋先生はわかめに乳癌抑制効果があることを報告していましたが、めかぶではさらに強い効果があることがわかりました。
乳癌をおこしたネズミに(1)普通の餌と水で飼育したネズミ群(対照)と(2)普通の餌とめかぶ水溶液(1.5gのめかぶを水1リットルに溶解したもの)で飼育したネズミ群に分けて観察しました。そうするとグラフに示したように、(1)普通の餌・水で飼育したネズミ群は12週間で100%乳癌ができましたが、(2)めかぶ摂取群は24週間では全く乳癌ができず、32週間後でも30%のネズミにしか乳癌はできませんナした。32週間後の腫瘍の大きさは、普通食のネズミに対して比べものにならないほど小さいものでした。
めかぶにはわかめ同様ヨウドが含まれ、この成分が乳癌の抑制に効果があることはわかっていますが、ヨウドだけではこの効果は説明できません。めかぶに含まれる様々な成分によって抑制効果が現れるようです(Jpn. J. Cancer Res., 92, 483-487(2001))。
乳癌は日本人に増加している癌の一つですが、やはり日常の食生活が重要であり、めかぶのような海藻を食べることで予防ができる可能性がでてきました。
驚異のめかぶのアポトーシス作用
名古屋大の舟橋先生は、この乳ガン抑制効果はめかぶ中に含まれる成分がガン細胞にアポトーシス(細胞の自殺)を起させていることを突き止めました。
乳ガン細胞を使用してめかぶによるアポトーシス作用(ガン細胞を自殺させる力)を検討したところ、実際ヒトによく使われる抗ガン剤(5FU)よりも強かったのです。
また、さらにめかぶは乳ガン細胞だけでなく、大腸ガン、子宮ガン、肺ガン、膵臓ガン、肝臓ガン、胃ガンの細胞にもアポト−シスを起こさせることを舟橋先生はガン治療学会で発表しました。
アポトーシス作用を引き起こす成分については今後の検討を待たねばなりませんが、これだけの効果 をもつめかぶですから、日常の食卓に利用してみてください。
「めかぶ」でおなじみの理研ビタミン株式会社では、スーパーなどの店頭でリケンのめかぶシリーズのご紹介VTRを放映中です。“理研亭めかぶ”をはじめとしたユニークなキャラクターが大好評!
栄養満点の“めかぶ”パワーをわかりやすく解説してくれます。
現在このビデオがインターネットで見ることが出来ます。
ビデオはこちら
Posted at 06時40分
トラックバック
トラックバックURL
http://www.howdy.co.jp/dining-express/tb.php?ID=271