スパイスの分類 [D@EXコラム]
カタチが違えば、香りも違う。人類が長年親しんできたスパイスやハーブには、それぞれに秘められた歴史やエピソードがあります。今回はスパイスの分類についてお話します。
1)利用(使用)分類による分類
辛料植物の各部分をスパイス(乾燥)として使用しますが、下記表のようになります。
【葉(葉茎・花穂)】
タイム、セージ、ローレル、バジル、オレガノ、マジョラム、シソ、タラゴン、パセリ、ローズマリー
【種子】
コリアンダー、クミン、フェンネル、キャラウェイ、アニス、マスタード、セロリーシード、ディルシード、フェネグリーク、麻の実
【果実】
コショー、ナツメッグ、メ−ス、サンショー、オールスパイス、トウガラシ、パプリカ、マンダリン(陳皮)、カルダモン、ジュニパーベリー、スターアニス、バニラビーンズ
【根・根茎】
ジンジャー、ターメリック、ガーリック、オニオン、ホースラディッシュ、ワサビ
【樹皮】
シナモン、カシア
【花】
サフラン、クローブ
注)
コリアンダー、クミン、フェンネルなどは、外観上種子を利用するグループに入っていますが、厳密にいうと植物学上は果実です。
ガーリック、オニオンは根・根茎のグループに入っていますが植物学的には鱗茎(*1)と呼ばれている部分です。
また、上記中、サフラン雌しべ(柱頭)であり、クローブは蕾です。
このように、スパイスはその各々で、それぞれを使用する部位は異なっています。
(*1)鱗茎
地下茎の一種。短い茎の周囲に生じた多数の葉が養分を貯えて、多肉となり、球形・卵型になったもの。ユリ、タマネギ、スイセンなどにみられます。
2)植物学的分類
植物の分類学的見地より、代表的なスパイスを分類すると以下のようになります。御存知のようにシソ科、セリ科植物のハーブ類が多いのが注目されます。
上記表で、門、綱、目、科などに分類されていますが、同じグループに入っているものは一般に似ているものが多いようです。
たとえば、クローブとオールスパイスはフトモモ科に属していますが、どちらもオイゲノールという成分を持っており、香りが似ています。また、セリ科植物のキャラウェイ、クミン、フェンネルなども種子の形態が似ています。
3)形態による分類
スパイスの形態は、大きく生スパイスと乾燥スパイスに分けてとらえることができます。生で使用されるスパイスには日本で古くから薬味的に使用されているグループと洋風的なハーブ類があります。ゆずやあさつきなどは乾燥され、和風スパイスとしても利用されています。ホールスパイスは、スパイスの原形のものをいいます。あらびきスパイスはこのホールスパイスを使いやすい形に粉砕し粒子を整えたものです。パウダーはいわゆる粉末です。
そのほか、抽出スパイスは精油やオレオレジンなどスパイスの有効成分だけを抽出、分離し加工したものです。液体のまま使用したり、粉末に加工されたりして食品の原料などに使われます。
混合スパイスは、パウダーあるいはホールやあらびきの形態でブレンドしたスパイスです。ブレンドするスパイスの形態の選定は、使用方法や使用部位、味、色、香りなどスパイスの特性を考慮して決められます。シーズニングスパイスはスパイスに食塩、砂糖、調味料などを適量配合して使いやすくしたものです。
<解説>
(*2)オレオレジン
溶剤を用いて天然香料、香辛料素材より香味成分を取り出したもの、精油および不揮発成分よりなり、フレーバーの香気強化および保留剤として調合に使用される。製品に使用したとき、製造過程に於ける耐熱性を高めることもできる。コーヒー、チョコレート、ココア、バニラおよび香辛料類などのオレオレジンがある。
スパイス&ハーブ検索【エスビー食品?螢曄璽爛據璽犬悄?
カタチが違えば、香りも違う。人類が長年親しんできたスパイスやハーブには、それぞれに秘められた歴史やエピソードがあります。世界中に500種類近くあると言われる香辛料の中から、代表的なものを取り上げてご紹介してあります。
資料提供:エスビー食品??
Posted at 03時39分
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