九州国立博物館若冲と江戸絵画展 [D@EXコラム]
九州国立博物館で行われている「若冲と江戸絵画」展に行って来ました。先に行われた東京や大阪では数十万人を動員したと言われる展示会です。若冲とは、奇想の画家と言われる伊藤若冲。江戸時代、京都に生まれた画家で、驚くほど個性的です。現代に通ずるポップなデザインで、宇多田ヒカルのプロモーションビデオに使われたりしているので見たことあるかたもいらっしゃるかもしれません。その若冲に一目ぼれしたのがジョープライス氏。1953年のニューヨークで、古美術展を訪れたプライス青年は、一枚の若冲の絵に一目ぼれ。卒業記念にメルセデス入魂のスポーツモデル「300SLガルウィング」(当時石原裕次郎が乗っていたものらしい)を買う替わりに、若冲のブドウの水墨画を購入。それ以来、世界髄一の江戸絵画コレクターとなります。何度聞いてもスケールのでっかい逸話です。今回の展覧会は、そのジョープライス氏のコレクション。つまりアメリカからはるばるわたってきた珠玉のコレクションなのです。
若冲で一番有名なのは、白象のモザイク画です。まず画面をマスで区切って、その小さなマスの中に、ひたすら色を塗りこんであります。絵柄もとても幻想的ですが、すごくデジタルなところがおもしろい。マス目の数は4万3000個とも言われていますが、誰が数えたのだろう。
若冲のほかにも長沢芦雪や、丸山応挙など江戸期に活躍した天才絵師たちの作品が見られます。閻魔大王が美女にみとれている絵や、達磨さんが遊女と歩いている絵など、茶目っ気たっぷりの絵も数多くあり、日本画の概念が根底からくつがえされますよ。<YA>
九州国立博物館
プライスコレクション 若冲と江戸絵画展
リトル・キッズ・ヴァイブレーション:伊藤若冲がやってくる!
秋華洞・丁稚ログ:ジョー・プライス展行って参りました
Posted at 00時00分
トラックバック
トラックバックURL
http://www.howdy.co.jp/dining-express/tb.php?ID=1671