トマトと野菜の栄養学 [D@EXコラム]
●トマトのふるさと
トマトはナス、ピーマン、ジャガイモなどと同じナス科の植物です。原産地は南米ペルーで、そこを拠点にアメリカ大陸へ、さらにヨーロッパ、アジアへと伝わっていきました。
おもしろいことにトマトは最初、食用としてではなく観賞用として広がり始めたとのこと。日本も例外ではなく、初めてトマトが日本に伝えられたのは17世紀ですが、食用になったのは明治以降、文明開化の波にあらわれてからのことなのです。
●トマトの種類
世界中で年間約8000万t栽培されているトマトですが、品種の数はなんと約8000種。そのうちカゴメの保有するトマトの品種は約6500種にも及んでいます。世界的にみてもおそらく、企業としては一番多くの種類をもっているのではないでしょうか。
基本的にトマトは生食用、加工用と2つに大別されます。現在日本で生食用として市場に出回っているのは桃太郎、ファーストという品種が主流です。さらに近年では、味が濃く、果肉もしっかりとしたミニトマトも普及してきています。
一方、加工用トマトとしてよく知られているものに、イタリアのサンマルツァーノ種があります。この種は、煮込み料理には最適な品種です。パスタソースをはじめとしたイタリア料理には欠かせない品種のひとつといえるでしょう。
●赤いトマトの秘密
日本のトマトは生食用はピンク系、加工用は赤系と、はっきりとした色の違いがあります。
日本ではピンク系のトマトが主流なのですが、世界では赤系トマトが主流で、年間約8000万t栽培されているトマトのうち、ピンク系トマトは約70万t程度に過ぎません。
トマトの赤い色素はリコピン(カロチノイドの一種)によるものです。加工用の赤系トマトが鮮やかな赤色をしているのはリコピンが多く含まれているからです。リコピンはがん予防や動脈硬化予防などの効果が期待されますので、リコピンを多く含んだ赤系トマトの摂取を日頃から心がけたいものです。
ちなみに缶詰に加工されたホールトマト、ダイストマトや生鮮のミニトマトは赤系トマトです。
●生活習慣病−糖尿病
生活習慣病のトップとして、「糖尿病」を挙げてみます。
日本人の糖尿病患者数は年々増加傾向にあります。糖尿病最大の原因は、遺伝的な要因もありますが、 日頃の運動不足、栄養の過剰摂取からくる肥満とされ、それが生活習慣病と呼ばれる所以でもあります。
意外なことに、この数十年のうちで、日本人一人当りの摂取カロリー量は、実は減る傾向にあります。
しかし、 糖尿病の疾患率は増加しています。…ということは、運動による消費カロリーが減っている、 ということにもつながります。毎日の生活習慣が、肥満につながり、 そして糖尿病を誘発しているといえるのでしょう。
各人の目標体重・適正エネルギーを知る 糖尿病には、インシュリン依存型と非依存型とがあり、薬療法を必要とする方もありますが、 基本は食事療法&運動です。それだけで血糖値はだいぶ緩和される例もあります。まず、各個人で 意識を持たせることが必要です。
(1)目標体重(BMI)=体重(kg)/[身長(m)×身長(m)]
(2)目標摂取カロリー=BMI×287(Kal)
算出した摂取カロリーを目標値として食事をコントロールするようにしましょう。そこで大切なのは栄養素のバランスです。タンパク質、脂質、糖質の比率を20:30:50を目安にすると良いでしょう。 (これをP/F/C比といいます)これは1日のトータルの栄養はもちろん、1回ごとの食事によっても、この比率を基礎としていくことがより理想的です。
例えば、大変おおまかですが、昼食のメニュー例として、
●ごはん 1杯(150g)
●白身魚のグリル レモン風味
●野菜のスープ (ミネストローネ)
●フルーツ
○ごはん 1杯(150g)
○チキンのホイル焼
○かぼちゃの含め煮
○豆腐とねぎのみそ汁
というようなものはいかがでしょうか。
そして、適度な運動をすること、また、ストレスをためこまないよう、心がけることが大切です。
Posted at 06時53分
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