2008.9.20 郷土菓子「志ぐれ」について考えた [全国特産物情報]
郷土の食べ物というものは、その土地では、みんな知っているという認識のもとで語られますが、一歩外に出ると誰も知らないということはよくあるものです。愛媛県大洲市に18世紀から伝わる郷土菓子「志ぐれ」。「坊ちゃん団子」や「一六タルト」は知っていましたが、この「志ぐれ」というお菓子は初めて知りました。かつて大洲藩の江戸屋敷内の秘法菓子であり、表面に浮き出ている小豆の模様が時雨のようだからこの名前になったのが由来だそうです。
郷土菓子だけあって、さまざまなお菓子屋さんが「志ぐれ」を作っていらっしゃいます。いずれも小豆の断面が美しく浮き出ていて、食感がプチプチとおいしい。ういろうや羊羹との違いを感じます。お祭りやお祝いごとのお菓子として長い間親しまれてきたお菓子ですから、お赤飯の代用品だったという説もあるくらいです。確かにどちらもお米と小豆の組み合わせですから、同じくらいめでたい食べ物だといえるのではないでしょうか?どうしてめでたい日には赤飯を食べるのか。赤は邪を払うことから、めでたい席で赤米を食べ始め、それが赤飯へと変わっていったと昔学校で習った(遠ーい)記憶があります。そう考えると、小豆のツブツブを極端に残した「志ぐれ」という郷土菓子は、実は深い意味を込めたお菓子なのかもしれない・・と思うのは考えすぎでしょうか?<YA>
生志ぐれ 小豆のプチプチ食感 : 甘味主義 : フード&スイーツ : グルメ ...
アンゼン・パックス/月刊"TOKYO@EXPRESS"
Posted at 00時30分
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