あげ丼セット（あげ丼、南関素麺にゅうめん、小鉢）850円

2009注：「関川」さんは現在営業されておりません。

　熊本県と福岡県の県境にある、玉名郡南関町。江戸時代には関所の町として栄え、交通の要所となっていた場所です。九州自動車道南関インターチェンジから荒尾方面に車で約１０分の所に「御食事処　関川」さんがあります。「南関あげ」や「南関そうめん」を使った郷里の味が楽しめるお食事処です。今や南関あげと南関そうめんは、多くのメディアにも紹介され二大特産品といえるほど知名度も上がってきており、また多くの人がこの味を求めて南関町を訪れています。

南関あげ丼

日本一の南関あげ
南関あげは大きいものは30Cmもある、日本一大きい「油あげ」です。江戸時代に四国松山地方から伝わったといわれており、夏場に腐りやすくなってしまうあげを長期保存できるように、よく水切りした豆腐を薄くして、水分含有率の低い油で揚げています。ゆえにパリッとしており、こわれやすいですが、南関の日常の食卓には無くてはならないものです。３ケ月程度は常温で保存可能でみそ汁、郷土料理の南関煮しめなどに使われます。南関あげは乾燥しているので、「ふ」のようで、よく汁を吸い込みふっくら仕上がります。
「御食事処　関川」さんでは、南関あげを使った代表的なものに「あげ巻き寿司」「あげ丼」「いなり」があります。あげ丼は甘辛く煮た南関あげをタマネギと一緒に、半熟玉子でとじたものです。タマネギのシャキシャキ感があり、とろとろ玉子と南関あげが絶妙の味を出している、関川さんご自慢の一品です。

南関あげ

南関素麺

南関そうめんの由来
手延べ打ち南関素麺は今から約２５０年以上も前にさかのぼります。この地の気候が素麺の製造に適し、上質の小麦が作られ、良質の水があることから南関町で発達したといわれています。南関素麺の特徴は、茹でても延びないほどのコシの強さと、シコシコした歯ざわりにあります。徳川時代には肥後藩主細川氏は参勤交代の際には、肥後の土産として南関素麺を徳川家に献上していました。麺の太さは0.1mmと極細で、長さは１〜10Mのものまで商品によって様々ですが、手延べ製法で半生状態で曲げられ、天日干しされて出来上がります。明治中期には２００を超える製麺所があり、すだれのように素麺を延ばした光景が多く見られたそうです。現在では約１０軒の製麺所が昔と変わらぬ手法でこの南関素麺を作り上げています。生産量も大変少なく、高価な素麺として知られています。
関川さんでは南関素麺をにゅうめんで供されています。だしをきちんととった汁に、極細の南関そうめんが惜しげもなくたっぷり入っています。ツルツル素麺に適度なシコシコ感があり大変美味しいです。

南関御茶屋

南関御茶屋
御茶屋とは藩主が参勤交代するときや領内巡視の際に休憩、宿泊していた施設で、南関町公民館の裏、豊前街道に位置します。平成１５年に国の史跡として指定され、１億４千万円をかけて修復の後平成１７年から一般公開されています。関所の町南関で古くから伝わる「南関あげ」「南関素麺」を味わうのと同時に、御茶屋さんで、抹茶をいただき往時に思いを馳せるのもよいでしょう。

南関御茶屋
場所：南関公民館裏
開館時間：9:30〜16:30
休館日：毎週火曜日（祝祭日の場合は翌日）
入館料：個人（高校生以上）200円、（小中学生）100円

「南関」あげ巻き寿司
海苔の代わりに甘辛く煮たあげで、玉子焼き、椎茸、かんぴょう、ほうれん草などの具と酢飯を巻いたもの。南関に古く伝わる料理で祭りのときなどに作られていました。（前日要予約800円）

御食事処「関川」

御食事処関川
熊本県玉名郡南関町上長田654
0968-53-0155　
営業時間：11時〜19時（LO18:30）

山口料理長

メニュー（一例）：
ふるさと定食（にゅうめん、いなり、小鉢）750円
だご汁定食（だご汁、ご飯、小鉢）　680円
にゅうめん中　680円
あげ丼　600円
いなり　250円

本情報は05年7月の取材時のものです。内容については御確認のほどをお願いいたします。

（Photo A.Imazato,Text T.Tominaga)