伝統うどん 「伊勢うどん」 [D@EXコラム]
うどんが有名な所というと、讃岐、五島、秋田(稲庭)・・・と出てきます。九州もそばよりうどんが好きな人が多いような気がします。今日は以前、三重県の伊勢市へ行った際に出会ったうどん、「伊勢うどん」を紹介したいと思います。実は伊勢市に行くまで、このうどんの存在すら知らなかったのが事実ですし、伊勢神宮があり昔から「伊勢詣で」されていた場所でこのような伝統的なものが継承されていることにちょっとした感動を覚えました。
スーパーで売っているうどんも「伊勢うどん」の玉。九州ではちょっとコシがやわいうどんが普通のうどんであり、コシが強い讃岐とは対照的にあるこのうどんに興味を覚えました。
伊勢うどんは真っ白でコシがなく、いわばふにゃふにゃな団子のような感触。しかも麺の太さは讃岐うどんの2倍ほど、並々のダシ汁に入っている普通のうどんと違い、醤油をかけて食べ、具もネギ、かまぼこくらいしか入っていません。でもうどん本来の味を確かめる感じがしますしトッピングもあまり似合うと思いません。
伊勢うどんの歴史は、江戸時代より前に伊勢の農民が、うどんに地味噌から出来た「たまり」を少しかけて食べていたのが始まりでその後、いりこや鰹節、昆布でとっただし汁を加え食べやすくしたものを、約360年前に浦田町橋本屋七代目、小倉小兵さんがうどん屋として開業して出されたとのことです。江戸時代には庶民の間でも伊勢詣でが流行し、その旅人たちが伊勢うどんを口にしたことでしょう。
日本最大のエンターテインメント施設ディズニーランド2つを合わせて年間入場者が2500万人ほどで、4人に1人が訪れたことになりますが、交通が発達していなかった江戸時代にたった数ヶ月で500万人(文政)ほど伊勢詣でをしたといわれるそうですから、当時の人口3000万人から考えれば、驚きの一言です。
この伊勢うどんいろいろなホームページなどで名店が紹介されているみたいです。三河、伊勢地方で引き継がれてきた、たまり醤油の文化と密接に結びついた伊勢うどん。全国でも珍しいうどん。濃い醤油にからめ、伊勢うどん、もう一度食べたいです。
Posted at 05時14分
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