熊本銘菓 朝鮮飴考
熊本銘菓といえば、まず真っ先に浮かぶのが朝鮮飴。柔らかくって、甘くって、大好きなお菓子。熊本育ちではないので、朝鮮飴を始めて食べたのは、大人になってからのことでした。熊本の人たちは、タイピーエンとか朝鮮飴とかを日常食として考えているのでしょうが、県外出身者にすれば、「こんな麺やお菓子があるんだ!熊本の人って幸せね!」と驚きと羨望の対象。オブラートに包まれたボンタン飴というものを、小さいころ食べていたので、おそらくこれの柑橘の香りを抜いたような味なのだろうと勝手に想像していましたが、味や歴史がずいぶん違うようです。
↓ボンタン飴。これはこれでおいしい、人気のロングセラー。
それもそのはず、朝鮮飴には、400余年という長い歴史があります。以前は「長生飴」とか呼ばれていたものを、加藤清正が朝鮮出兵の時に兵士のために携えていったことから、朝鮮飴と呼ばれるようになったという説などが伝えられています。水あめ、もち米、砂糖だけで作られている朝鮮飴は、日持ちがすることと、滋養によいことで、兵糧食として、優れていたのでしょう。そのおいしさは、加藤家改易後の細川家にも認められ、御用菓子として、長く市井の人々の口に入ることはありませんでした。
今では、園田屋さんや清正製菓さんなどの、おいしい朝鮮飴を食べることができます。味も微妙に違っていて、食べ比べるのも楽しいです。<YA>
↓岸朝子さん絶賛の老舗園田屋の朝鮮飴。楽天で買えます!