細川三斎ゆかりの御菓子、薏苡仁糖(よくいにんとう)が再現されました

DSC03625.JPG皆さんは、薏苡仁糖という御菓子をご存じでしょうか?読み方はよくいにんとうと読むのだそうです。薏苡仁糖は、細川三斎ゆかりの御菓子。肥後細川家初代の細川忠興(八代城に隠居して三斎と名乗る)がハトムギを使った茶の湯の菓子「薏苡仁糖(よくいにんとう)」を作らせたとの記録が残っています。しかし作り手がいなくなり、この菓子の製造が途絶えて数十年。このたび、6月初旬に八代にある松浜軒で行われた肥後古流のお茶会で、お茶菓子として振る舞われたとのことで、注目が集まりました。お茶会に参加した方からありがたくいただく幸運に恵まれた私。右の白いのが薏苡仁糖。左は青紅葉。ちなみに今の季節の松浜軒は、肥後花菖蒲がとてもきれいです。

ありがたき薏苡仁糖を実食。一言でわかりやすく言うならば、おこしっぽいです。おこしの原料はお米ですが、薏苡仁糖はヨクイニン、つまりはと麦が原料。お米よりも心なしか香ばしい感じがします。おまけに糖蜜の効果か何かわかりませんが砂糖だけではないいい香りがそこはかとなく漂っていて、上品。ちなみにヨクイニンは、肌の調子を整える漢方薬として有名。

 松浜軒という由緒ある場所で、肥後六花の一つである肥後花菖蒲を見ながら、武士の茶道である肥後古流のお抹茶を楽しみ、三斎ゆかりの御菓子をいただくとは、なんとぜいたくな時間なのでしょうか。ちなみに三斎のお父上であられる細川幽斎の展示会が、肥後銀行本店肥後の里山ギャラリーにて行われています。古今伝授のしつらえの様子が再現されてあり、見どころのある展示でしたよ。<YA>