マジックアワーの空を羊羹に閉じ込める。とらや 空の旅
羊羹のとらやさん。いわずと知れた羊羹の老舗ではありますが、こんな素敵な羊羹があるとは、初めて知りました。名づけて「空の旅」。15代当主が飛行機の窓から見える夕焼け空の美しさに感銘を受け、考案した羊羹なのだそう。紅色の煉羊羹に白小豆を散らし、夕焼け空に浮かぶ雲を表しています。2011年4月1日、空港限定(羽田空港・成田空港)商品です。
封を開けた瞬間「わー!きれい!」と心が躍るような上品な夕焼け色です。夕焼け空に感銘を受けた気持ちが伝わってきます。おめでたい席にもぴったりじゃないですか!それにしても夕焼けを見ただけで、これを自社の商品にしよう!という発想は見事というしかありません。羊羹といえば、勝手にブラックだと思い込んでいる人がほとんどでしょうから、そう考えると、15代目の方は、柔軟な発想をなさる方だったのでしょうね。右下にほんのり白いのが、「雲=白小豆」です。そこにほんのり白が一点あるだけで、赤だけよりも夕焼けとしてのイメージが沸くのは不思議なものです。
三谷幸喜さんの映画に、「マジックアワー」というものがありました。太陽の日が落ちる前の、ほんの一瞬の一番美しい夕焼けを放つ時間を「マジックアワー」というとそのとき初めて知りました。まさにマジックアワーの空を羊羹に閉じ込めた空の旅。人生の最終章もこのように輝きたいな。そんなことを考えさせてくれる哲学的な羊羹なのでもあります。<YA>