春、名残の焼肉館「彩炉」清水店
子どもがまだ小さかった頃の夜の外食。「何食べたい?」と息子に聞くと、かなりの頻度で「彩炉」と叫んだ。それは、保育園から高校卒業までしつこく続き、本当によく「彩炉」に焼肉を食べに行ったものである。大人からすれば、今日はちょっと魚がいいなとか、軽めにうどんとかでいいんだけどね、とか、サラダバーがある鍋島でもいいじゃん、とか思う時も多かった。しかし、「彩炉」とせがまれれば、ついつい子どもの喜ぶ顔見たさに連れて行ってしまう。
息子が高校を卒業して、東京の大学へ進学すると決まった。家を離れる前に、ご飯食べに行く?と聞いたらやっぱり「彩炉」と言った。で、あんなに行った「彩炉」だったけど、もしかしたら、夫婦二人だとそんなに足を運ぶこともないのかもしれないなと思ったら、突然さびしくなるものだ。今回はランチタイム利用。私はカルビ、息子はタン塩。
じゅーじゅー焼ける肉。ジュージューという音も、わたしの心の泣き声ね、なんて、もちろんセンチメンタル気分なのは、私だけ。一向に意に介さず肉にがっつく息子。まあ、それくらいでちょうどいい。中学校卒業したときもここにランチに来たことを思い出す。やっぱり節目節目に「彩炉」ありです。
日常って永遠に続くように思うのだけど、ずっとは続かないものなのだと、昼下がりに悟る、節目の春。息子が帰省したときにまたお世話になります。<ya>
彩炉清水店
熊本市北区高平3の38の5