ミシュランガイド熊本・大分2018 特別版
(2018年7月13日 発売)
にて ビブグルマン (3500円以下でコストパフォーマンスの高いレストラン)に選ばれています、
ヨダレカレー を掲載します。すごくインパクトがあって名前を聞いたら忘れない。
ヨダレが出るほどうまいカレー です
今回は弊社情報誌ダイニングエクスプレス VOL33 「うまかもん」とのコラボ企画で 写真は7月上旬に実際に私が食べに行ったときのもの、文章はダイニングエクスプレス掲載のものを使用しています。
オープンの12時前に行列が出来るのは当たり前とか
行列のできるカレー屋さん
ヨダレカレーは熊本市南区田井島、平成とうや病院の斜め向かいにあります。お店は黄色1色で塗られた壁と赤い文字で書かれた看板のおかげで遠くから離れていても一目瞭然です。何よりの目印は昼時にカレーを食べるためにお店の外で溢れ返るお客さんではないかと思います。ランチでカレーが完売することも多々あり、連日県内だけではなく他県からのお客様もその噂を聞きつけてお店にやってくるのだとか。店内に入るとカレーのスパイスの香りが漂い、食欲を刺激します。また、壁にはたくさんの張り紙や雑貨が置いてあり、カレーを待っている間も楽しめるお店になっています。
行列がなくなった瞬間を撮影。またすぐ行列に
こだわりのカレー
カレーのメニューは4種類あり、好きなカレーを単品(1種類)750円?、あいがけ(2種類)850円、混盛り(3種類)950円から選びます。(全4種類がけカレーはメニューには無いようですが時間がある時に注文すると作りますとおっしゃっていました)
4種類のカレーは時期によって変わるので行くたびにメニューが違うこともあるようです。今回の取材では花山椒と豆板醤がピリっときいた麻辣(マーラー)ポークキーマ、魚介がぎゅっと凝縮されたシーフードカレー、コクのある優しい味のバターチキンカレー、ハバネロを使用したパンチのあるハバチキキーマの4種類でした。(ダイニングエクスプレス雑誌取材当時のメニュー)
どれも辛さを控えめに作ってあり、とても食べやすいカレーになっています。SNS映えする見た目だけでなく、思わず笑みがこぼれてしまう程美味しいカレーです。さらに、カレーだけでなくカレーの上に乗っている副菜も手作りで、「美味しい!カレーに合いそう!」と思えば、料理のジャンルを問わずにアイディアを取り入れているそうです。また、お米はヨダレカレー専用米を奥さんのご両親と一緒に作っており、こだわり尽くしの愛情たっぷりカレーです。
カウンター席の上には色んな雑貨が並べられて店内も楽しい感じ
メニューはたまに変わります。今日は4種類から。3種類を選ぶのも楽しい
ヨダレカレー誕生の秘話
店主の坂本さんは料理を作ることが好きで和洋中さまざまな飲食店で10年ほど働いていたそうです。ある日のまかないで、とても食べられるものではないくらい美味しくないカレーを作ってしまいます。失敗することは無いと思っていたカレーの難しさ・奥の深さに魅了された坂本さんは、それをきっかけに独学して、カレー屋をはじめることを決意。カレー屋をすることを聞いて奥さんは、「美味しい料理を作れるこの人なら大丈夫!」と後押しし、夫婦でお店を出すことになったそうです。
お店は熊本市西区で出す予定でしたがその直後に起きた熊本地震のために移動せざるを得ない状況に。ちょうど空き店舗があった熊本市南区田井島に場所を移し、「ヨダレカレー」が誕生しました。ここで疑問が。なぜ店名がヨダレカレーなのか?よだれが出るほど美味しいカレーという意味なのか?いえいえ、違うんです。テレビの食べ歩き番組を観ていたときに「よだれ鶏」が紹介されており、「よだれってつけるだけで美味しそうになるな・・・」ということでカレーにヨダレをつけて「ヨダレカレー」に決めたそうです。よだれが出るほど美味しいカレーは後付けのようですね。
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サラダのドレッシングも美味しい
カレーの修業は大阪
実はよだれカレーの一皿にカレーのルゥを複数かけるスタイルは大阪にあるカレーをヒントに作ったものなのです。当時、カレーのルゥをあいがけするスタイルを熊本では誰もやっていなかったことから熊本でもやってみようと決心した坂本さん。大阪は熊本以上にカレーの激戦区ということで今でも半年に一回はお店を閉めて夫婦で大阪へ修業に行き、カレーを食べ歩くそうで、お客様が飽きないために新しいカレーのネタを探しています。修業の日はお店の入り口に「カレー修業のため長期休暇を頂きます」の張り紙が・・・。これを見たら残念ながら食べれなかった人も、つい笑って許してしまいそうですね!こうした修業の末、坂本さんが考案したカレーの種類はなんと30種類程。まだお店に出していないカレーもあるようです。
野菜出し汁のチーズカレー、チリポークキーマカレー、牛ビーフカレーの3つを選びました。
3種類もカレーが乗っていると嬉しいわー
違う人はタマチキポークカレーを選択。うずらも入っています。
1皿にスパイスを繋げる
ヨダレカレーではカレーのおススメの食べ方に「すべてのカレーを混ぜ合わせて食べる」とあります。「混ぜ合わせたら美味しくないのでは・・・?」という私の不安をぶつけると坂本さんが、DJからカレー屋になった方に言われたお話をしてくださいました。
「音楽もスパイスも同じ。音から音へ繋ぎ合わせるようにスパイスも音階に分け、お皿でスパイスが喧嘩しないように相性のいいスパイス同士を繋げる。3つの音(味)で1つの音(味)を出すようにカレーを作ることが大事。」この話を聞いて感動した坂本さんは、4種類のカレーのどれを合わせてもスパイスの相性がいいように考えて作っています。スパイスを音に例える・・・カレーの奥の深さに驚嘆です。
今後は・・・
「どうしても複数のカレーを出すと提供に時間がかかってしまい、お客様にも迷惑をかけてしまうことも。今後は4種類から選べるカレーではなく1つのメニューのみで1皿に全力を注ぐカレーを作って、型にはまらずにこういうカレーもあったんだと思わせるカレーを作ってみたい。右を向けと言われたら左を向くカレー屋を目指します。」と話す坂本さん。常に進化し続けるヨダレカレーに今後も目が離せません。
今回の取材を通して、震災を乗り越え、夫婦二人三脚で1から作り上げたお店と知り、胸が熱くなると同時に、自分も「頑張らなくては」という気持ちがふつふつと湧いてきました。また、仲の良いご夫婦のカレーに対する熱い想いと、人を笑顔にする暖かい人柄に私もすっかりヨダレカレーの虜になりました。ヨダレカレーが誕生して約1年半。これから益々人気店になること間違いなしです。ぜひ皆さんも絶品カレーを食べにヨダレカレーへ行かれてはいかがでしょうか。 (文章 M.S.)