東京浅草。都営浅草線浅草駅の出口を出て隅田川と並行して走っている路地を南の方面へ進みます。創業200年を超える鰻の老舗、前川を左手に見ながら進んでいきます。人通りは少ない場所です。
しばらく歩くとコンクリートの無機質な建物が左手に見えてきます。ナベノーイズムの店舗です。同業界の方に予約していただき今回訪問しました。
フランス国旗があり、フレンチのお店とすぐわかります。ナベノイズムは2016年7月オープン。2年弱ですね。渡辺雄一郎シェフは三ツ星レストランとして名高い「ジュエル・ロブション」はじめロブションシャトーレストランで21年間勤務。ナベノイズムは現在ミシュラン1つ星です。
2階と3階に席があり隅田川が望めます。席数は24席。
飾り皿は珍しい陶器のもの。渡辺シェフの家紋をモチーフにしてあり、陶器と木板が合わさったデザインとなっています。浅草なので、串から外れた団子だとも思ったがそうではないようだ。
詳細なるメニュー表が。そしてホームページにも料理の詳細が解説してある。ナベノイズムは日本とフランスの素材の融合。フランス料理にうまく日本料理の素材が取り込まれている。ということだけくらいが事前情報だったので、料理も楽しみです。
グラスの DELAMOTTE シャンパンで
1杯はシャンパンいただきたい。
赤肉メロンとミントのガスパチョ 凍らせたフランボワーズと白ポルト酒のジュレを忍ばせクランベリーのエキュームでビール仕立てに
浅草老舗とのコラボスナックとアントナン風グリーンオリーヴのマリネ
ガスパッチョはさきほどの飾り皿をひっくり返して乗せてある。皿の上に3つの丸の皿が乗っている。先ほどの家紋のデザインをうまく融合したものです。
こちらは色んな味が複雑に融合した味だ。アミューズ3品を頂いた最後いただきました。
大心堂雷おこしとフランスの出会い
雷おこし古代/シャラントポワトゥーバター/スペイン産アンチョビ/シチリア産ケッパー/かんずり/すだち
おこしとバターの組み合わせが本当に地域の融合だ。こういう食べ方があるのか。
駒形 種亀最中のカナッペ
種亀モナカ皮/塩昆布/アーモンド/丹波黒豆/ノルマンディー生チーズ/生ハム/赤ピーマンエッセンス
細かいアミューズだが、もなか・塩昆布といった日本食との融合。こちらもとても複雑な融合味が楽しめました。
“両国江戸蕎麦ほそ川”の蕎麦粉をソースエミュリュッショネの技法で炊き上げたそばがき、奥井海生堂蔵囲い2年物昆布のジュレとアキテーヌキャビア、ウォッカクリーム、おろしたて天城ワサビのコンビネゾン
HPより
※江戸ソバリエの資格を持つ私が取得当時通い詰め惚れ込んだ両国江戸蕎麦ほそ川の蕎麦粉をフランス製銅鍋、シリコン加工ホイッパー、プラック熱源で一気に炊き上げ、フランス産発酵バターで乳化させたオリジナルの冷たい蕎麦掻き、福井県敦賀市奥井海生堂の素晴らしい利尻昆布のジュレで香りを閉じ込めました。
ランチは塩雲丹、ディナーはキャビアを添え、ウォッカを垂らしたノルマンディー産サワークリーム、天城わさびとのハーモニー、そして何よりも口内に広がる香りとテクスチャーをお楽しみ頂きたいNabeno-Ismのスペシャリテの一品です。
●朝挽き蕎麦粉/キャビア/奥井海生堂蔵囲い2年昆布ジュレ/ノルマンディクリーム/ウォッカ/天城ワサビ/芽ネギ
これはシグネーチャ―ディッシュです。ロブションもキャビア料理は有名なんですが、それをオマージュしたような1品ですね。蕎麦もフランスでガレットという食べ方があるように日本と共通しているところがありますね。蕎麦とキャビアの組み合わせが味わえるのってここだけしかないんじゃないだろうか。
(料理後半は明日)